年の瀬の12月16日の午前中、牛蒡(ごぼう)じめ「しめ縄作り」が追分公民館で行われました。昨冬より大勢の皆さんの参加があり、出入りを含め50人以上がお出でになりました。目立ったのは子供を連れた若いお父さんお母さんの新しい人の姿。西部小学校PTA追分支部が参加を呼び掛けてもくれました。追分には以前にも増して、人の元気や活気が戻ってきたように見受けられ、大変心強く思いました。

稲ワラや松葉、紙垂(しで)などの材料は、主催側がたくさん用意してくれました。参加者は大会議室のホールいっぱいに広げたブルーシートの上で、講師役の関順さん(9組)の説明を聞いたり実演も見たりして、初心者でも慣れない手つきで一所懸命に思い思いのしめ縄作りに取り組んでいました。1本、また1本と、しめ縄が仕上がる度に周りと見比べて、良しあしを面白そうに言い合っていました。

「去年も参加し、これで2回目。なかなか上手く出来ないね」と言いつつ、慣れてくると見事なしめ縄を何本も作った中年男性。初めてのしめ縄の作品をお母さんに持たせ「いーい。撮るよ、撮るよ」とスマホを構えて記録する小学生の男子。チビッ子2人を連れ、小学生の長男のしめ縄作りを突っ立って眺めながら「子供の動きが早くて、追っかけるのが大変。親って気が休まらない」と嘆く子育て真っ盛りの若いお父さん。人間模様のいろいろな場面に出会った、ひと時でした。

こうした、地方の伝統行事を教えられる指導者も減って、継承することが年々難しくなってきています。追分は幸せなことに自前で材料も揃えられ、身近に教えてくれる経験者もおりますので、続けてこられたのだと思います。地元の先輩方が営々として培ってきた“地域力”をさらに高め「住んで楽しい、訪れて楽しい」と誰もが言える、自慢の“オイワケ・コミュニティー”を創っていきたいものですね。(S)