追分会(別荘人団体)の結成60周年を記念する盛大なパーティーが8月20日、追分のグランドエクシブ軽井沢の大広間で開かれました。参加者の会員約50名の中には、地元民も多数出席していました。パーティーでは定例総会と昼食会も兼ね、歓談の後の余興では会員の渡辺早織さんの民族衣装を身に纏ったバリ島舞踊の華やかな踊りや、浅間三重奏でお馴染みの加藤美奈子さんのバイオリン演奏の披露もあり、参加者はパーティーを十分に堪能した面持ちでした。

総会では依田承司会長以下の現役員が留任し、2023年夏の追分会だより(会報)に載っている昨年度分の会計報告と監査報告があり、事務局提案の通り承認されました。報告の中では、現在の会員数が過去の約550名から、この6年間で会費を納入していない会員を退会扱いとして整理した結果、150名減の400名で運営していることも明らかにされました。会員の高齢化で来軽できない方も増えたり、別荘の所有者も他者に代替わりしたこと等が、その背景になっていると説明されました。

依田会長(写真)の挨拶では「2、3年前に会長になったが、コロナウイルスが猛威を振るっていたので静かにしていました。追分会が今年60周年と聞いてびっくりしました。昭和50年ごろから追分に来ていて、両親が建てた別荘で過ごしてきました。戦時中の小学生のころは、両親の出身地である佐久に疎開し、近所の子供たちと遊び惚けていました。そこに、終戦後の昭和21年までいました。東京まで帰る時はバスで小諸まで行き、信越線に乗って車窓から眺めた追分や軽井沢の美しい高原の景色が懐かしく思い出されます」と少年のころの昔を振り返り話されました。乾杯の音頭を任された内堀次雄追分区長兼追分会副会長は「今年度、区長に指名された新米ホヤホヤでございます」と謙遜しつつも「3年ぶりに会員の皆さまとお会いできて大変うれしく思います。今夏のひとときを楽しんでもらうため、追分のまちづくりに日々努力しています。素晴らしい追分のまちをつくっていきたいと思います」と言葉に力を込めて応じていました。

追分会は「しなの追分の自然の情趣を保存し、この地に静養と思索のための健康な環境をととのえていくには、盛夏を中心としてここに集う人々が、共通の語りあう場をもつことが、ぜひとも必要と考えられていた。こうした別荘人と地元(民)のむすびつきの会をつくろうという有志の集いが追分公民館でもたれたのである」(原文のママ)と「祝・60周年 《追分会》還暦のしおり」に会の生い立ちが記(しる)されています。追分会が他の軽井沢の別荘団体と異なる特徴は、結成当時から別荘人と地元民の結び付きを重視し、それを追求してきたところにあると思います。追分会は別荘人と地元民の立場の違いを越え、両者が手を携えて追分の豊かな自然環境を保存していこうとの、貴い精神性の基につくられたと云っていいと思います。結成60周年の節目に際し、追分会の結成目的について、別荘人のみならず地元民も再確認する必要があると思います。(S)